数年前にはなかったものと、前から変化した、と感じたこと。CP+2018(第2日)

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今年も始まりました、写真の祭典CP+。

初日の様子とkalipe的見解は、こちらの記事をどうぞご覧ください。
本日はライターが変わりまして、folioより会場の様子をお届けしたいと思います。ちょっと変化球かもしれません(笑)
明日、明後日の週末に行くよ!という方も多いと思いますが、あまり参考にならない現地レポです。

 

数年前まではなかったもの

さて、私はkalipeではドローンによる空撮、動画の撮影を担当させていただくことがしばしばあります。
なので、昨年ぐらいからはまず”私自身の”CP+との接し方が変わってきていて、写真、カメラ・・というより、映像全般コンテンツの展示会と感じています。
映像の展示会としてはInter BEE(国際放送機器展)などもありますが、それよりはもっとエンターテインメント色が強く・・という感じではありますが、これから数年ののちにこれらの線引きはどんどん曖昧になって行くのかもしれません。
例えばSONYのブースなどは、スチル、ムービーの線引きが明確にはなく、どちらも等しく大きな柱にしようとしている色が出ています。Panasonicも然り。

また、そのような流れをCP+の中に作り出しているメーカーの一つにDJIがあります。昨年もそうでしたが、今年もかなり大きなブースを出しています。
今日は平日であったにもかかわらず、Mavic Air 、 Sparkなどの新鋭機のフライトデモが始まると、フライトケージの周りは黒山の人となってその関心の高さが伺えます。

DJIによるフライトデモ

私個人的には、今年はDJIが先日発表したワンハンドルのスタビライザー、RONIN-Sに注目していました。開発中の実機が3台出ており、実際に触れることができます。
ドローンの下にぶら下がっているはジャイロを内蔵していて、ドローンが傾いたり揺れたりしてもそのズレを即座にカウンター方向に修正して、ぴったり安定した映像を得ることができます。これが映像機器としてドローンがドローンたる最大のポイントでもあるのですが、その優れた技術を一般的なカメラでも利用できるようにしているのがRONINシリーズです。RONIN-SはDJIが初めて発売するワンハンドルタイプのカメラジンバルとなり、今年の夏頃の発売が予定されている、とのことです。

DJI RONIN-S 軽々持ってるように見えますが・・

ワンハンドルなんですが・・・とりあえず、”(超)重い”と書いておきます(笑) これはちょっとストラップか、ツーハンドルのオプションがないと開始5分で腕が死にます。この写真ではキヤノンの5Dが載っていますが、SONYのα7が載っている個体でもとにかく出てくる感想は”重い”でしたw
ただ、デッドバンド近傍のじわっとした制御や、各部の操作感、筐体の作り込みなどはさすがにDJIだな、と思いました。

まあ、このような”重い・・!”という、カタログスペックだけでは感じられない空気に触れることができるのも、CP+の大きな魅力です。
特に、カメラやレンズは一般的な家電量販店で気軽に触れることができますが、ドローンやスタビライザーなどになると、量販店の中でも旗艦店舗クラスのお店に行かないと見られなかったり、少し手が届きにくくなる面があるためです。

現段階で最新のドローン、Mavic Air

中国のメーカーの躍進

カメラ本体、レンズなどは世界的にも日本メーカーがリードしていますが、例えば上にも書いたドローン、スタビライザーに関しては、世界トップのシェアを持つDJIはもちろんのこと、二番手、三番手の製品も中国メーカーの躍進が目立っています。
一方で、撮影を支える周辺デバイス・・例えば三脚、雲台、ストロボ、フィルター、といったものも、中国メーカーの躍進が目立ちます。例えば、SIRUI,BENROといった三脚メーカー、モニタのBenQ、フィルターのNiSiなどがそうです。
今年のCP+では、このような中国メーカーのブースが集まっているコーナーがあって、その勢いを感じました。

 

カメラから、写真へ

CP+はいわば”見本市”なので、どうしてもその中心にはハードがあります。個人的にはこの潮流をもう少し広げて、カメラメーカーも”写真”という広義の目で考えてくれれば良いのに、、と思っていました。なんとなく、そんな方向に舵は切られつつあるんじゃないか?と今年感じたのはオリンパス、そしてフジフフィルムのブースでした。

この2メーカーは、ブース内にかなり大きな・・しかもライティングをきちんと施した展示スペースを設けていて、品質の高い写真プリントの展示をしていました。

オリンパスの展示コーナー

フジの展示コーナー

また、エプソンのコーナーにあった、こんな一文に心を動かされたり。

”写真に形を与える”
うん、良い響きです。じわじわ来る(笑)
写真はスマフォやモバイルデバイスの普及によって、本当に誰でもいつでも”撮る”ことはできるようになっています。速写性や携行という面ではスマフォの後塵を拝する一方、写真に形を与える、与えたい、という欲求は、スマフォではないカメラを手にする一つの動機になると思います。
芽が出るには時間がかかると思いますが、カメラメーカー、ひいては業界全体で戦略的にこういう意識は育てていった方がいいのではないかな?と感じています。

 

とはいえ、CP+はまずは大きな”お祭り”です。

好きな写真家さんの写真を見たり、講演を聞いたり、新しい機材を見たり、お友達と会ったり。様々な楽しみ方ができる期間中、みなさま一人一人の楽しみ方を見つけて、カメラ・写真の魅力に漬かってみてください!

最後に、今日個人的に見て面白かったものを載せておきます。何も下調べせずに出かけ、こういう自分の知識になかったものを知りうるのもCP+の魅力の一つです。

(1)エーデルクローンのコンパクトスライダー、wing。これで40cm動くスライダー・・

(2)自由自在に曲がり、色温度も変えられるLEDライト,Fomex フレキシブルLED

(3)7.5Mまで伸びる一脚,LUMICA BiRod。 去年も展示されていて、去年はこれの4.5mバージョンをまんまと買ってしまった・・

RM