ヒカリエでの展示:国際写真展「SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY」=東京画

1月2日から1月8日までの短い期間で渋谷ヒカリエの8階にて開催中の国際写真展「SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY」に行ってきました。これが東京画プロジェクトの一環だったとは行ってみて気がつくという・・

東京都写真美術館で1月2日の無料開館日に行ってきたので、そのへんの話とむしろユージン・スミス展について書いておきたいところですが、会期が短いこちらの方からまずは、ということで。

単なる著名な作家のグループ展示かと思いきや

この機会を知ったのがIMAオンラインからの情報だったのですが、よくよく見ると詳細へのアドレスが東京画だったので気がつく要素はあったものの、本文中にその文言を入れてあげればよかったのに。もったいないなと。

どういう経緯の企画なのかなと不思議に思いつつも、年末年始で詳しく情報を得ていかなかったのですが、東京画であるのであれば、その意義というか鑑賞への視点も変わるというものです。

単なるグループ展示というより東京画は、2011年の震災から続く、もっとこう日本人としての(東京に居住する人間としての)重ためのテーマと言いますか、真摯に受け止め考えないといけないある種の「不都合な真実」的なことをコンセプトにしているので、作家の名前も大事ですが本質はそこではない気もする展示だと思います。

特に、三つ目の惨事の現場となった原子力発電所は東京という大都市のエネルギー供給のために設置された施設であったという事実、”都会という不毛の土地”に住む者に理屈ではない罪悪感として重くのしかかってきたのです。
首都、東京がその立場や機能を維持するために派生しているさまざまな現実に私たちがいかに無関心、無知であったかを痛感させられました。

あれから歳月が流れ、2020年、二度目となるオリンピックの開催が決定しました。来るべき東京オリンピックは、2011年の大震災から再生した新たな日本の姿を世界に向かって高らかに謳うシーンとなるはずです。つまり、このディケード(十年)は東京がまさに新しい存在理由と価値を構築する過程となる特別な時代でもあるのです。
『東京画』はこの特別な時代を、100人の写真家が東京を被写体とした作品をアーカイブすると同時に、彼らの眼差しを通して、東京が歩むべき道をリアルタイムで同時代の人々と共に考えてゆく鮮度の高い発信活動を目的としています。
今、東京で何を問題点として自覚し、何を美しいと判断し、何を悲しく想い、何を大切だと感じ、そしてどんな可能性が見えているか、写真として提示したいと思うのです。

東京画ウェブサイトより引用

※公式サイトより引用 http://tokyo-ga.org/topics/2017/12/28.html

この目的やコンセプト、東京画の過去のプロジェクトが評価され、パリ、ベルリン、渋谷で、公式行事としての位置づけで進められているということであればなおさらではないかと。

今回のヒカリエでの展示を皮切りに、フランスとドイツへ巡回してくるとのことで日程の予定は以下の通りです

  • 「SHIBUYA」展渋谷ヒカリエ 8/ Cube  2018年1月2日〜8日
  • 「SHIBUYA」展パリ4区市庁舎  2018年11月2日〜30
  • Tokyo Curiosity展(仮題)カルーセル・デュ・ルーブル2019年1月〜2月(日程調整中)
  • 「SHIBUYA」展(ベルリン)2019年5月〜7月(日程・会場調整中)
  • 「SHIBUYA」展Bunkamura ザ・ミュージアム 2020年(予定・日程調整中)

11月のパリ展示は4区の市庁舎だそうで、東京でも都庁でやればいいのに(だいぶ難しそうですが)とふと思いつつ、11月中ということはパリ・フォト会期にも被りますね。
Paris Photoあるいはfotofeverにも関連することは検討されてないかななど思いますが、むしろアメリカやアジア諸国にも波及するともっと良いのになと期待しつつ。

そもそもこの機会が実現するまで7年を要しているらしいので、いろいろ想いとは裏腹に厳しさもあるのかなと察するところであります。

と、言いつつ肝心の内容は

実際のところ少々チグハグな印象を受けました、盛り込み過ぎているのか会場が狭すぎるのか・・イマイチ伝わりにくい感じがありました。

スライドショーと展示と写真集のセクションと全部を入れているのですが、表現としてのフォーカスが3兎追ってる感じになっていて。それと各作品の加工についても妙にカジュアルな印象だったというかそれぞれの作家の東京(渋谷)に対する視点は、あのパネル形式統一でコントロールするのは果たしてよかったのかな・・と感じます。個人的にはアクリルマウントで隙間なく空白は空白でブラックの画を用意して壁面を覆ってしまいたいなとも(予算的な都合は考えず・・)

額装も各々のテイストに準じてカオスな壁にしても”渋谷”というロケーションには合っていたのではないかとも。
作家の温度感も若干測りかねるところもあったように思います。

むしろスライドに全力投球してしまうくらいがよかったのではないか、などと感じました。それも意図的に早い切り替わりで目まぐるしく変わっていくスライド。

いずれにしても、本番はヨーロッパでの展示と、なによりも2020年の凱旋展示だと思うので、その予告編として見るのであればそれはそれでアリだったようにも思います。改めてきっかけを得る機会として。

たとえばかつての東京PHOTOだったりで追っていた存在だったところもあり、それがなくなったことで自分にとっては接点がかなり薄れていたこの存在との再リンクを嬉しく思います。

SHIBUYA – TOKYO CURIOSITY

会 期  2018年1月 2日(火) – 2018年1月 8日(月)
開場時間 11:00 – 20:00
場 所  CUBE 1, 2, 3

〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1
http://tokyo-ga.org/topics/2017/12/28.html

SH