鈴木麻弓写真集「The Restoration Will」Ceiba版発売記念展示

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フォト・コンサルタントとして幅広く活動されている後藤由美さんが代表/キュレータを務められているReminders Photography Strongholdは、手製写真集制作ワークショップ”Photobook As Object”を2014年度から開始しており、その参加者が制作した手製本は非常にクオリティが高いものとして世に出てきます。

鈴木麻弓 The Restoration Will

2017年度のRPS企画展第一弾として、さる2017年3月に鈴木麻弓さんの写真展、「THE RESTORATION WILL」が開催されました。
鈴木さんのご実家は、かつて宮城県女川町で営まれていた写真館であり、2011年東日本大震災による津波でご両親を亡くされています。職業として写真に携わられている一方で、震災以降は故郷・女川町の人々のポートレートや、震災後の風景の変遷を綴られています。
ご実家の写真館の跡地から拾われた、お父上が仕事で使われていた大判カメラ用のレンズを使って撮影された女川の風景、人々。そして、泥だらけになったポートフォリオを集め、ダメージを受けた写真を復元(RESTORATION)する試み。
3月の写真展は大きくこの2つのWorkから構成されており、立て込みを使い大変大掛かりに空間を演出して、”女川”という土地の空気を創り出し、見るものに疑似体験させるような、とても印象深い展示でした。

 

ダミーブックから写真集へ

この時、手製本として作られていたダミーブックが国際写真祭PHOTOLUX主催による、PHOTOBOOK AWARD2017にて見事グランプリを受賞し、その複勝としてイタリアの出版社CEIBA EDTIONより写真集として刊行されることになりました。
このダミーブック、3月の展示の時に拝見したのですが、溢れ出るような感情、想いが詰まったもので、本という媒体のイメージが変わるほどの出来栄えでしたので、グランプリの受賞と聞いても十分納得です。
アイキャッチ画像が、そのダミーブック。 写真館から見つかった、津波をかぶって泥だらけになってしまったポートフォリオを模して作られています

そして、写真集の刊行記念展示が12/21から27日まで、Reminders Photography Strongholdにて開催中です。そして12/23(土)午後4時からはアーティストトークが行われます。
今回は、刊行記念展示、ということでダミーブックからどのような過程を経て、イタリアの出版社から本として刊行されたのか・・という、より「本」に着目した構成となっているとのことです。(私自身もまだ展示を拝見できておりません)

失われてしまった大切な場所、大切な人との繋がりを復元する、という大変繊細なテーマを、どのように本として表現するに至ったのか・・
特に、自身でZINEやフォトブックを刊行した経験がある、もしくは作ってみたい、というフォトグラファーの皆様は必見の展示なのではないか、と思います。

写真集の詳細はこちら。
http://reminders-project.org/rps/therestorationwillceibasalejp/

この展示の詳細情報はfacebookのイベントページにて
https://www.facebook.com/events/156781368264346/

開催場所:Reminders Photography Stronghold
東京都墨田区東向島2-38-5

12/21 – 12/27

12/24 16:00 –   アーティストトーク

RM