撮影お助けアイテム:耐水/防塵ポータブルSSD G-Technology(HGST) G-DRIVE Mobile SSD R-Series Storage USB3.1(Gen2)

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撮影旅行やロケにおけるバックアップの必要性

皆様は、数日にわたる撮影旅行やロケなどに出られた時などに、バックアップ用のメディアなどをお使いになるでしょうか?
私は以前、旅先での撮影によっていっぱいになっていたメディアを、まだ未使用のメディアと勘違いしてフォーマットしてしまったことがあり、大変悔しい思いをしたことがあります。
それは自分のパーソナルな撮影だったので、自分自身の責任だと諦めれば良かっただけの話なのですが、たとえばこれがご依頼頂いた撮影などだった場合は取り返しがつかなくなる可能性があります。
なので、最近は薄型のモバイルノートPC、カードリーダ、そしてバックアップ用のメディアとしてポータブルSSDを持ちあるくことが多くなりました。

ノートPC持って行ってるなら、PCに保存すれば??という話もあるかもしれませんが、持って行ってるのは他の機材の邪魔にならないような薄型かつ小型で可搬性を重視したものなので、SSD容量も500GB程度、そこにOSやアプリなど入っているので、空きは大体300GB前後しかありません。静止画だけななら十分かもしれませんが、4Kの動画のクリップも撮影したりすることもあるので追いつかなくなるのです。
また、モバイルPCに入れてしまうと帰宅したらどうせ自宅のメインストレージに移さなければならないので、結局なんらかのデバイスを使ってモバイルPCから吸い出す必要があるため、それなら最初からポータブルSSDにバックアップしておくのがお得かな、と考えています。

 

耐水・防塵(IP67)性能に優れたポータブルSSD

いくつか製品があるなかで、私が利用しているのはMac向けにチューニングされたストレージを扱っていることで著名なG-Technology社の、G-DRIVE Mobile SSD R-Seriesを使用しています。

500GB、1TB,2TBとラインナップされていますが、数日間、動画クリップもあり、という点を考慮し最大容量の2TBのものを使っています。
だいぶ散財することになりましたが・・・^^; 散財した分の活躍はしてくれています!

この製品の特徴は、頑丈、高速、ポータブル。

まず、ポータブルの名の通り、小型、軽量です。

次に同社のサイトからの引用ですが、

IP67の防水/防塵性能、3メートルの落下テスト1、1000ポンドの衝撃に耐える優れた耐衝撃性を備えたG-DRIVE mobile SSDは信頼性の高い堅牢なストレージを提供します。最大560MB/秒の転送速度2で、サイズの大きいソースファイルをすばやく保存、編集、アーカイブでき、USB 3.1 Gen 2インターフェイスの汎用性の高いUSB-C™ポートにより、旧型/新型のノートパソコンに接続できます。G-DRIVE mobile SSDがあれば、耐久性の高いストレージとして容量の大きい写真の保存に利用できます。

とあるとおり、ポータブルさに加えて耐水、防塵、耐衝撃に優れることを特徴としていて、お山に持って行った時などもザックの空いたポケットなどにポイと入れておいて、カメラボディやレンズなどに揉まれても破損等の恐れが少なく安心だし、フィールドに持って行くことに対して”安心感”を持つことができる作りになっています。
HDDと違い、SSDは構造上回転部分を持たず、メカ部分も少ない。そしてSDカードの端子部分のように向きだしの金属部分も少ないため、フラッシュメモリーデバイスでもっとも注意しなければならない静電気の恐れも比較的少なく、もともと物理的に壊れにくいストレージと言うことができるので、これにIP67の堅牢性が加わっている、というのは、バックアップメディアとしてリスクが少ないと言えると思います。

そして、もう一つの特徴としてはUSB3.1の速いほうの規格、USB3.1(Gen2)に対応し、最大で560MB/秒の転送速度を有することです。
なお、G-Tech R-Series、本体側はUSB-Cタイプのコネクタですが、PC側のコネクタ形状を考慮して、USB-C-USB-Cのケーブルと、USB-C-USB-Aタイプのケーブル2本が同梱されており、新旧双方のPCにケーブルを追加購入することなく接続できます。

ただし、USB-Cコネクタにしろ、USB-Aコネクタにしろ、PC側がUSB3.1のGen2に対応していないと最高性能がだせません。USB3.1、としか記載されていないようだと多分Gen1だと思います。
またUSBハブなどもUSB3.1 Gen2に対応しているものは以外と少ない(ほとんどない?)ので、USBハブに差して使ってしまうと性能が出なかったりもします。
更に、最近増えてきたUSB-Cコネクタもあくまで”コネクタの形状だけ”のお話なので、USB-C=USB3.1(Gen2)ではない・・・つまりUSB-Cコネクタなら最速、なんてことはありませんので、このあたりはお使いのPCのインタフェース仕様を良く調べてから購入されるほうが良さそうです。USB3.1ポートが沢山ついていても、USB3.1 Gen2として使えるのはこことここのポートだけ・・などというのも割とポピュラーな仕様なので、要確認です。

ちなみに、USB3.1 Gen2接続環境下で取ったベンチマークは以下となります。理論値である560MB/Sにかなり近い性能が出ていて、これくらい出てくれると64GBフルフルで撮影されているSDカードのコピーも2分前後で完了してくれるので助かります。

 

G-TechnologyはMac向けに製品をチューニングしています

G-Technologyは、基本的に自社のストレージ製品は対Macでの利用を想定し、macが提供するファイルシステムでフォーマットして出荷しています。
このため、macをお使いの方は購入後そのまま接続して利用することが可能ですが、Windowsの場合はNTFSをはじめとする、Windowsが参照可能なファイルシステムのもとでフォーマットを行う必要があります。
私はこのSSDをexFATでフォーマットしました。exFATはSDカードなどのフラッシュメモリデバイス向けに開発されたファイルシステムで、SDXCカードなどに利用されています。撮影済みのSDカードはWindowsに差してもMacに差しても同様に中身を確認することができますが、あれはexFATでフォーマットされているため。いろいろなマシンに取り付けて利用されることを考慮した、ポータブルストレージ向けのユニバーサルなフォーマットなのです。
私は自宅にWindowsとMacの両方のプラットフォームを持っているので、どちらにつないだ時もデータが見えてくれないと困ることになりまして・・・

 

自宅の環境がmacです!という方でも、例えばポータブルSSDにデータ入れて写真学校にデータを持って行き、写真学校の環境がWindowsしかなかったりしたら、mac専用のファイルシステムであるHFS+やAPFSやでフォーマットしちゃってたら読めないわけです。
いろいろとexFATを使うことで生じる問題もありますが、個人でバックアップメディアとしてポータブルSSDを使う場合は、exFAT形式で使うのが良いのではないか?と思います。G-TechのポータブルSSDを購入し、その後macでのご使用を想定されている方も購入後exFATで再フォーマットし直してしまうのが良いのではないか・・と。
上のベンチマークデータはexFAT環境下で採取しているので、フォーマットによる性能低下、みたいなのはほぼ誤差範囲だと言えると思います。

 

SanDiskなどからもリリースされています

同様の製品は、カメラ向けの記録メディアとしてはトップブランドともいえるSanDiskからも、SanDisk Extreme Portable SSDがリリースされています。写真的にはG-Technologyよりも著名なので、ブランドとしても安定、な印象があるかもしれませんね。

G-TechnologyのR-Series同様にUSB3.1(Gen2)対応。防水/防塵性能がIP55で、G-TechnologyのR-Seriesよりは少し控えめなのでその分リーズナブルになっています。十分な性能だと思います。

 

CP+などでもチェック!

CP+などのイベントでは、どうしても新登場のボディやレンズに目が向きがちですが、ボディやレンズは量販店やカメラ店で大体いつでもタッチ&トライできる状態にあることに対して、たとえばストレージの性能を実体験することはこの手のイベント以外ではなかなか難しいかもしれません。
SanDiskのページを確認すると、CP+2019ではポータブルSSDの転送スピード体験デモンストレーションなどもあるようなので、この機会に体験されてみては如何でしょうか?

RM