α6400の連続録画時間
2009年1月発表、2月22日発売のSONYの新型APS-Cミラーレス、α6400。2.28(木)からパシフィコ横浜で開催されるCP+にも展示される、話題の機種です。
- 世界最速の高速AF
- 高速・高精細なリアルタイム瞳AF
- リアルタイムトラッキング
などを特徴とした小型・軽量のミラーレス一眼となり、加えて動画の性能もSONYのカメラらしく、4K/30pをビットレート100Mbpsで収録可能なうえ、HDRやS-LOG/S-Gamutでの撮影も可能、など高いスペックを有しています。
↓SONY公式のα6400ムービー
そんな華々しいスペックに紛れて、ヒッソリとグレードアップしている仕様がありました。
それは、連続動画撮影30分の制限がない、というものです。
いままで、ほとんどの一眼カメラにおける動画撮影では、”連続動画撮影時間29分59秒まで”という制約があり、一眼カメラでこの制約がなかったのはパナソニックのGH5/GH5Sぐらいだったのです。
α6400の仕様には、この録画制限時間の記載はなく、代わりに連続動画撮影時の電源仕様が記載されており、それによればファインダー使用時で約125分、液晶モニター使用時でも約125分、という記載があるのみです。
では、いままでなぜ30分の制限があったのでしょうか?
デジタルカメラなのか、デジタルビデオカメラなのか
実はこの連続録画時間、その製品がカメラなのか、デジタルビデオカメラなのかという品目の分別に影響しています。
現状のビデオカメラの定義は、
- 解像度800*600ピクセル以上
- フレームレート23fps以上
- 動画の連続録画時間30分以上
の3つの条件を満たすものを指します。このうち、最初の2つは撮影できる動画の品質上譲れないものなので、このうち連続録画時間を30分以内とすることで、品目を”デジタルカメラ”として扱っていました。
この両者の差は、主にEU圏への販売に影響がありました。それは関税です。
対EU圏の販売において、デジタルカメラが無税であるのに対して、デジタルビデオカメラは数%(4.1%・・・だっけ?)の関税がかかるため、価格に跳ね返ってしまうのです。
先のパナソニックのGH5、GH5SはEU圏で販売していない(いなかったはず・・)ため、関税を考えることなく30分枠を撤廃し、デジタル一眼動画の最高峰機としての座を確保していました。
私自身は動画の撮影においてはそんなに長回しすることはありませんが、イベントやマルチカム撮影などで”回しっぱなし”にする需要は少なからずあったはずです。
ただし、この30分枠はついに過去のものとなりました。
2019年2月1日、日欧EPA発効
先日、2月1日に日欧EPA(日本ーEU経済連携協定)が発効されましたが、この協定によって一部製品の関税が撤廃されます。その中にデジタルビデオカメラが含まれているのです。
これによって、関税による価格を理由とした、連続録画時間の”自主規制”は必要が無くなりました。
そして、2月22日発売になるα6400は早速この自主規制を取り払ってきたのです。
ただし・・
長時間の録画・・・特に4Kでの撮影などの場合、回しっぱなしにするとセンサー周辺から膨大な熱が発生するため、カメラによっては短時間でシャットダウンしてしまうケースもあります。
GH5/GH5Sは放熱、冷却の機構が優れているといわれており、またその引き換えとしてマイクロフォーサーズとしては相当におおきな筐体となっています。
みてのとおりα6400は大変コンパクトな筐体のままで、特別な冷却構造をもっているようには見えません。
30分、という自主規制は撤廃されているものの、だからといってどんな撮影モードでも30分以上長回しできるか??は購入後にテストが必要かもしれません^^;
CP+で30分長回して確認するのは無理&他のお客さんに迷惑なのでやめておきましょう(笑)