空港の手荷物検査装置・X線検査に関して先に上記2点書きました。それぞれを確認してもらえればほぼX線カブリを防げます。でも大事なフィルムをより確実に守るため、カブらせない・スムーズに検査するための5つの方法・知識を紹介します。
空港の手荷物検査装置・X線検査 フィルムをカブらせない対策
デジタルカメラ・スマホが主流の中、こだわりフィルムカメラ派はまだまだいますが、周りに同じ立場のひとが少なく、知りたい情報が入ってこないものです。
手荷物検査の機械はISO感度◯◯まで大丈夫という表示があったり、係員にも問題ないと主張されますが、何度もX線を通したり空港によって、X線カブリが発生していることが確認されています。(先の記事でISO3200で影響するなら、ISO1600の場合2回で影響する・・等書きました。
SO1600で100回X線検査しても大丈夫って簡単に言われたものの、よく考えたらISO3200で影響するとしたら2回通したらISO1600影響していることになりますね。4回通してISO800で影響して、8回通してISO400に影響、16回通してISO200に影響、32回でISO100に影響するじゃないか・・。
先日、空港係員に100回通しても影響ないって言われましたが、どう考えても計算が合わない(↑)ですし、比較対象がないからその場で確かめることはできません。そして補償はしてくれないでしょう。役人対応というか無知識な人が適当なことを言っているようで説得力がありません・・・
ここで空港利用時に大事なフィルムをカブらせない・よりスムーズにできる5つの方法・知識を紹介します。
1. フィルムはかならず手荷物にする!
航空機に乗るとき荷物は2パターンあり、かならず機内持ち込みの手荷物にします。
- 預け荷物:チェックイン時にカウンターで預ける荷物(主にスーツケース)
- 手荷物:自分で機内に持ち込む
預け荷物(スーツケース)を見るためのX線は手荷物検査のもの強力です。特に海外旅行の場合、テロ警戒地域などはより強力です。
そして、前回預け荷物で大丈夫だったから、今回も大丈夫という保証はありません。◯◯は大丈夫など様々な噂がありますが、X線から死守するしか方法はありません。
2. 手荷物検査はハンドチェックをお願いする!
手荷物検査は黙っていたら流れ作業でX線検査に通されてしまいます。検査の順番がきたら「ハンドチェックでお願いします!」でOK。国内線・日本の空港でハンドチェックをお願いすればほぼスムーズに対応してくれます。
そして、無駄シャッターを切らないため、カメラにフィルムを残さないよう事前に準備します。
ハンドチェックの過去例
- 新品・未開封フィルムは触るだけ
- 開封済み(撮影済みフィルム)はパッケージを開けられる
- カメラにフィルムが入っている場合は1枚シャッター切るように言われる
©Bradley Gordon bag checker(Flickr)
3. ジップロック等の透明な袋に入れる&メッセージを書く!
日本であれば言葉が通じる上に、お願いすればほぼ上品な対応をしてくれます。デジタルカメラしか触ったことのない世代が徐々に空港職員になっているとは言え、日本は写真・カメラ大国(主要メーカーが揃っている)ですので口頭対応で今まで長引いたのは僅かです。(過去2回面倒なおじさん係員でした・・)
一方、海外となるとフィルムカメラ自体知らない人がいたり、怪しく思われてしまうことも今までありました。あと、海外の係員は基本的に手間のかかることをなことやりたがらないのです。
特にこちらがバタバタするとあっさり機嫌を損ねるので、スムーズに検査してもらえるようあらかじめジップロックなど透明な袋にフィルムを入れる&メッセージを書きます。
今まで、FILM で伝わらないことがあったので Photo や photographic を加えておくといいでしょう。(フィルムは包装や薄い膜のことを指す場合があります。)
書くだけでなく、もちろん口頭で伝えるほうが大事、書くのはあくまで事前準備です。
- Photo Film(フォト フィルム):写真フィルム
- These are photographic film(ジーズアー フォトグラフィックフィルム):写真フィルムです。
- Hand check please!(ハンドチェック プリーズ):ハンドチェックお願いします!
- Hand Inspection!(ハンド インスペクション):手で検査を!
- DON’T X-RAY!(ドント エックスレイ):X線検査はダメ!
さらに海外は気持ちを伝えるということが大事です。
- They are very very precious to me(私にとってとても大事なものです。)
書く&言うことでより効果的になりますが、ダメな場合は全然だめ。その場合は頑張って粘ります。それしかないのです・・(がんばれ)
中東・イギリス・アメリカは手強い。中国は係員が雑すぎて聞く耳を持たない。
日本人は黙ってしまうのが弱みで、強めに言ったり大げさに懇願したりなにかしらPRすることが何よりも大事です。羞恥心など捨てがんばります。「No!」だけでも伝わります。その時、思いっきり嫌な顔をしてください。
4. X線安全ケース・袋に頼らない!
9.11以降検査が厳しくなったと言われていてアメリカは特に厳しい(預け荷物1回でX線カブリをおこす)そうです。
大型カメラ量販店でX線安全ケースを販売していますが、注意書きには絶対ではないと書かれています。それも反対に怪しまれて逆効果になることも想像され、怪しまれて中身が見えるまで強力なX線を当てられ感光してしまう可能性があります。
できるだけスムーズに通過させる&複雑化させないためX線安全ケースに頼るのではなく、ハンドチェックが正攻法と言えます。
5. フィルムを現地購入・現地現像!
事前に調べたり慣れた土地であれば、現地でフィルムを購入し、現地の写真屋さんで現像する方法があります。とは言え海外でフィルム自体入手することが難しく田舎となれば見込みは薄いです。
そして、日本より日本よりフィルムの値段が高かったり、135フィルムはあってもブローニーやシートフィルムは更に難しいでしょう。現地に知り合いがいる場合はあらかじめ調達してもらうといいでしょうか。
海外となると現像は現像液の状態が不透明ですし、最低限のコミュニケーションが必要になります。そもそもフィルムの調達が難しいエリアでフィルム現像まだやっているのか疑問が残ります。とは言え、かつてのプロカメラマンは結果を現地で確認するという意味合いも含め、現地で現像することが当たり前だったそうです。