先の記事で、空港の手荷物検査装置・X線検査 X線カブリで感光が起こる現象・模様 がどのようなものか、確認しました。(フィルム部分的にスジ・波状・帯状、フィルム全体的が変色)X線カブリは必ず発生するものではないものの、意図しないものとして現れる場合があります。調べていたところフィルムメーカー5社の見解がありました。X線カブリ対策のひとつとして考えておきましょう。
空港の手荷物検査装置・X線検査 フィルムメーカー5社の見解【フィルムカメラ】
ここで紹介するフィルムメーカー5社は
- コニカミノルタフォトイメージング株式会社
- 富士写真フイルム株式会社
- コダック株式会社
- 日本アグフアフォト株式会社
- 日本ポラロイド株式会社 です。
あれ? フィルム販売していないぞ? と思われるでしょうか。見つけた資料は2004年に公表されたフィルムメーカー各社の見解でした。以前のものとは言えフィルムカメラがまだまだ現役だったころのもので、フィルムカメラを使うユーザーにとっては情報が少なくなった現在の貴重な参考資料と言えます。
※ フィルムカメラの年間出荷量は、2002年にデジタルカメラに逆転(フィルムカメラ2366万台、デジタルカメラ2455万台)しましたが、2004年利用者数という点においてはフィルムカメラの方がまだまだ多かった頃です。
フィルムメーカー5社より飛行機ご利用の方へのお知らせ
2004年に発表されたフィルムメーカー5社の見解を要約すると、撮影前・撮影済みにかかわらず、「未現像のフィルムは手荷物として機内に持ち込む」・「X線検査をなども受ける場合・高感度フィルムはハンドチェックにする」です。
1. 未現像のフィルムは手荷物として機内に持ち込む
- 未現像のフィルムは手荷物として機内に持ち込むこと
- スーツケース・大型荷物など預け荷物に未現像のフィルム(※1)を入れない
- 強力なX線を通される場合がある
- カラーフィルム・黒白フィルム・スライド用(リバーサル)フィルム・レンズ付フィルム(写ルンです等)・インスタントフィルム(チェキ、ポラロイド等)すべてX線検査でカブリの影響の可能性がある
(※1) 未現像フィルム:カメラに装填していない新品のフィルム・撮影してお店に出していない(現像していない)フィルムのこと。光に対する化学反応が起こる状況ですので日常の光(可視光線)・X線ともに影響します。お店に出して現像したフィルムは光に対する化学反応が起こらない状況ですので、空港検査のX線など影響はありません。
2. 機内持ち込み手荷物検査用X線装置の多くは安全だが
- 複数トランジットなどX線検査を何度も受ける場合はハンドチェック(※2)
- ISO1600など超高感度フィルムはハンドチェックにする
(※2)ハンドチェック:X線検査を通さない代わりの目視検査のこと
3. X線安全ケース・袋 を使う場合も手荷物検査に
- 中身が確認しにくい場合は、強力なX線に切り替わる
- X線安全ケース・袋(※3)はむしろ危険なアイテム(?)
(※3)X線安全ケースとはフィルムプロテクター等とも言われる(軽度な)X線を通さない鉛製のケース・袋のことです。鉛製のケースなのでずっしり重みがあります。かつては大型カメラ店・空港で販売されていましたが今はあまり見かけなくなりました。
フィルムメーカー5社より飛行機ご利用の方へのお知らせ
空港のX線検査に関して調べていたところ見つけた資料はこちらです。2004年のニュースリリースと古いもので削除される可能性があるのでリンクに加えてスクリーンショットを掲載します。
あわせて読みたい
>> 空港の手荷物検査装置・X線検査 X線カブリで感光が起こる現象・模様
>> 空港の手荷物検査装置・X線検査 フィルムをカブらせない5つの対策