Panasonic LUMIX G9 PRO ( DC-09) いいところとダメなところ一つずつ

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ミラーレス発売から10年

2018年後半、ニコンのZ6/Z7の発表を皮切りに、キヤノンのEOS R、そしてLEICA/Panasonic/SIGMA協業のLアライアンスなど、135フルフレームサイズのカメラにもミラーレスの風が吹きました。
そのミラーレスの祖、となったのは、OLYMPUSが提唱するマウント規格であるマイクロフォーサーズが発表された直後、2008年9月に登場した”Panasonic LUMIX G1”でした。


※Panasonicホームページ(https://panasonic.jp/dc/p-db/DMC-G1.html)より

懐かしい・・
ちなみに、私が初めて購入したミラーレスは、G1のあとに、そのマイクロフォーサーズ規格を提唱したOLYMPUS自身が発表したE-P1でした。これは今でも所有しております。

 

Panasonicはその後、より動画撮影に振り向けたGHシリーズをラインナップし、スチルのフラッグシップGシリーズ、ムービーのフラッグシップGHシリーズの2枚の看板となって、更にコンシューマ向けのGXシリーズ、GFシリーズを加えて今日に至っています。
そして今年からは冒頭でも少し触れた、135フルフレームの新マウントであるLマウントを搭載する”Sシリーズ”が加わることになります。
現況はそんな状態ですが、G1の発売からちょうど10年、約1年前2018年の1月に発売され、初めて”PRO”の名を冠したスチルのフラッグシップGシリーズの最新機LUMIX G9 PROが発売となりました。

 

G9 Proはかなりマイナー・・

私は、現在ムービーの制作でLUMIX GH5を愛用していることもあったのですが、お知り合いからこのG9 PROを安価で譲って頂く機会がありまして、本格的にメイン機として利用し始めている状況になります。

G9 PROは

高速・高性能AF(空間認識技術を使った高速、高精度AF)

高速連写(電子シャッター使用時、AF追従20コマ/秒、AF固定60コマ/秒)

進化した手ぶれ補正(ボディ内のみで6.5段分、Dual I.S2対応レンズ利用で、レンズ側の2軸のレンズ内手ぶれ補正と連動させて望遠領域まで6.5段分補正キープ)

信頼性/堅牢性(USB給電/充電、防塵・防滴・耐低温設計、シャッター耐久20万回、超音波方式ノンダストシステム)

などを目玉とし、ミラーレス発売10年を経て華々しくデビュー・・・したはずだったんですが、なんとなく存在としてはマイナーな感じです。

なぜなら、すでに3人ほどから
”何そのカメラ知らない・・”
と実際に言われているからです。

何しろ、一緒のこのkalipeで記事を執筆しているシンキロさんにも
”何そのカメラ知らない・・”
と言われているからです(笑)

 

 

確かに、Panasonicの一眼はGHシリーズの存在からか、ムービー機としてのイメージが強く出ている面もあることもありまして、スチルの機体、としてはPanasonicそのものが少し脚光を浴びづらいのかもしれません。

ただ、さすがPanasonicが出している機体だけあって、スチルに重きを置いた機体でありながらもちろんムービーの機能もきっちり作りこんであり、動画機の最高峰GH5のサブマシンとしても十分機能しますし、もちろんその逆でGH5がスチルのサブ機としても十分機能するため、私のようにスチルもムービーもやりたい人間にとってはG9とGH5はお互いがお互いを補完しあう関係となって機能します。

が、市場は正直?、価格にも如実にそのマイナーぶりが出ておりまして、マップカメラさんあたりですと中古の美品が12万台、良品で11万台と、実に値頃感あふれる状態・・所有者としては非常に微妙な感じです。
マップカメラさん ー Panasonic LUMIX G9 PRO

まだ、本格運用を始めて間もないのですが、そんな”陽の当たらない機体”G9 PRO、いままでOLYMPUS,SONY,NIKONのカメラを使い、現在はPENTAXとPanasonicホルダーの私から見て、傑出して素晴らしいところが一つ、そしてここはちょっと人様にはおすすめできない・・という箇所が一つでてきましたので以降に書いてみたいと思います。

 

素晴らしいところ一つ

手ぶれ補正です!

これはもう変態レベルで効くと思います。特に、DualI.S2に対応した望遠レンズにおいて・・です。

Dual I.S2はPanasonicのレンズ内2軸(ヨー軸、ピッチ軸)補正技術で、G9 PROの5軸ボディ内手ぶれ補正と連動して高い補正効果を実現するものです。

凄いのは、これに対応しているレンズがすでに以下12種類あること。

  1. LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.
  2. LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
  3. LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.
  4. LUMIX G VARIO 14-140mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.
  5. LUMIX G X VARIO 35-100mm / F2.8 II / POWER O.I.S.
  6. LUMIX G VARIO 45-200mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.
  7. LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
  8. LUMIX G VARIO 100-300mm / F4.0-5.6 II / POWER O.I.S.
  9. LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.
  10. LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.
  11. LEICA DG ELMARIT 200mm / F2.8 / POWER O.I.S.
  12. LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.

広角から望遠、超望遠まで、そしてズーム、高倍率ズーム、単焦点、マクロ・・とほぼ全域をカバーするラインナップになっていますが、特に焦点距離を100mm(35mm換算で焦点距離200mm)を超える望遠、超望遠領域の対応ぶりが素晴らしく、これらの焦点域で6.5段の手ぶれ補正を実現できるのはG9 PROの大きな特徴の一つです。

次の写真はI.S2対応の中からLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.を使って35mm換算200mm相当で、シャッタースピード1/2秒で手持ちで撮影した画像です。

焦点距離100mm(35mm換算200mm) シャッタスピード1/2秒

手ぶれ補正効く!といって出している写真としてはちょっと判定甘めかな・・・(笑)まあ大目に見て頂いて。
35mm換算で200mm~400mmあたりの望遠域で1/2秒ぐらいまで手持ちで撮れるようだと、数秒、数10秒で長時間露光する写真を撮影する以外の大体の撮影ケースにおいて、三脚が不要になると思うので、三脚を扱う時間の分をシャッターチャンスを追う、あるいは待つ時間に回すことができます。

望遠がこうなので、広角~標準域だと、シャッタースピード1秒前後ぐらいだと結構適当に撮っても止めることができます。これは、LUMIX G X VARIO 12-35mm / F2.8 II ASPH. / POWER O.I.S.を使って手持ち撮影した例。慣れれば片手持ちでも止められそうな気がします。

焦点距離12mm(35mm換算24mm) シャッタスピード0.77秒

 

 

ダメなところ一つ

シャッターフィーリングが悪いです・・・

具体的にいいますと、とにかく軽すぎる。私はAFはシャッター半押しではなく、別のボタンに割り振って親指AFを使う派なんですが、それでも露出を特定の光源の場所で測りたい時とか、シャッター半押しはそれなりに使うんですが、半押ししているつもりでもかなりの高確率で写真が撮れてしまいます・・= =;

特に、冬山などの撮影で手袋をしたままの状態でのレリーズなどでは無駄打ちが増えてしまいます。ただでさえ低温下ではバッテリーの性能が悪いので無駄打ちは避けたい上、連写が速いこともウリの一つのG9、電子シャッターかつ高速連写モードなどに入っていた場合は、その無駄うち一発で20枚ぐらい撮れてしまうことがあるので(笑)ちょっと勘弁してほしい。

 

見た目はそんなに軽そうではないんですけどね・・

GH5やGH5Sではそんなことはなく、至って普通のシャッターフィーリングなんですが、G9はどうしてなんだろう?このシャッタフィールの悪さは大きな弱点の一つだと思いますので、ちょっと押し加減の調整などできないかリサーチしてみます。

もし、G9 PROをご購入を検討されている方がいらっしゃるようでしたら、シャッターの押し具合に関しては量販店やカメラ店などの店頭で試されることをおすすめします。

軽いほうが良いケースや、そのフィーリングが好きな方もいらっしゃるとは思うのですが、私自身はちょっとなぁ・・という感じですね。

 

 

そしてS1/S1Rがやってきた

・・・なんていう記事を数日間かけて書いていたら、
Panasonic S1 will cost $2499 body-only and feature oversampled 4K/30p

Panasonicが放つ135フルフレームミラーレス、LUMIX S1/S1Rが2/1にまず海外で正式発表となりました。センサーサイズ、マウントが異なり互換性もありませんので、G9 PROとはまた立ち位置が全く異なるカメラではありますが、しばらくPanasonicの話題はLアライアンスとS1/S1R中心に回りますので、G9 PROが更に陽の当たらない場所に追いやられていく可能性が高いのであります(笑)

とはいえ、S1/S1Rに入る多くの技術はGHシリーズ、Gシリーズで培われたもので、S1/S1Rでできるほとんどのことはお値段半分以下のG9 PROでも十二分にこなせます。今後、Panasonicはフルサイズ機のフラッグシップS1/S1R(ってまだこれしか発表されていないけど・・)、一眼動画機のフラッグシップGH5/GH5S、そして静止画のフラッグシップG9 PROとフラッグシップが3つもあるメーカーになりますが、Panasonicが今後Sシリーズ、GHシリーズ、Gシリーズ・・更にはLアライアンスとマイクロフォーサーズをどのように展開、発展、そして協調させていくのか注目です。

私自身もS1/S1Rはちょっと横に置いておいて(笑)、G9 PROとは長いお付き合いをしたい・・と思っているので、スチル撮影やムービー撮影のサブとしてどんどん活用して、またここは凄いぞ!と思えるところが出てきたら記事にしたいと思っています!

RM