その1より続きます。
コストパフォーマンス良好!
写りに関しては、一般的なフォトグラファーが使う上では全く問題ない・・というか、恐ろしくコストパフォーマンスに優れるレンズだと思います。
特にPENTAXの場合、これと同等のレンズとなると、あとは純正の15-30mmF2.8という選択になるかと思いますが、価格は3倍近くに跳ね上がります。
重さも2倍近くに跳ね上がります。
続いて、”その1”のほうで少し書きましたが、”夜のレンズ”たる小技の作りこみを見ていきます。
星撮りの方が見たら、ふむふむ??と身を乗り出すこと請け合いのいくつかの装備があります。
ただ、端々に作りこみの甘さがあるのは事実でして、これはIrixの設計に問題があるのか、製造を受託している某韓国メーカーに問題があるのか、その両方なのか??
良い点も悪い点も
- フォーカス位置をロックできる機構がある
現在のフォーカス位置でロックすることができます。パーマセルなどを張って固定する代わりにできます。ただ、ロックできるダイヤルとフォーカスリングが隣り合っているので注意深くロックしないととせっかく合わせたフォーカス位置が動きます(笑) 頼むよちょっと! - Infinity click機能
無限遠がでる位置にくると、カチっとクリック感があります。これ機構としては非常に良く考えられていますね。真っ暗闇でも無限遠を出すことができます。た・だ・し! 私のところにきた個体はこの調整が甘々。カチッとしたところが無限遠ではなくて、もう少しオーバーインフ側に無限遠がありますwwww だめじゃん。頼むよちょっと!! - 無限遠調整機能
で、3.のようなことを見越してなのか、自分で無限遠位置を調整できる機能があります(笑) もうほんと頼むよ、ちょっと!!!ただ、この調整のために緩める必要があるネジが恐ろしく細かいのと、やっぱりレンズをいじるというのは少し怖いので、私自身はまだ無限遠位置の調整には踏み切れていません。長く使うとずれて来ることもあるでしょうから、調整機構を持っていること自体は良いことだと思います。 - メモリが蛍光塗料で書いてある
地味ですが、他にこういうレンズはあまり見たことがない(シネレンズなどでは偶にありますが)ですので、設計者の夜撮影依存度が伺えます。でも、これBlackstoneの方だけみたいです・・私が持っているfireflyはビタ一文光ってくれない。アレ目に汗が・・Blackstoneはメモリが彫り込みになっているのに対して、fireflyはプリントなので、という事情もあるかもしれません。
その他のポイントとしては以下でしょうか。
- NDフィルターが取り付けられる
この手のレンズは大概出目金構造で、全面にフィルターが付けられず・・なのですが、Irixのレンズにはいずれもフィルター用のフレームが付いています。ただ、ケラレないように・・ということだと思うのですが、この径が95mm(笑) どこにそんなフィルター売ってんねん、という感じですが一応Irixから純正オプションとしては売っています。また、このフィルター枠の存在が、このレンズの独特の風貌を作りだしています。 - 電子接点装備
MF専用ではありますが、電子接点を装備しています。絞り値その他のEXIF情報を記録することが可能です。風景やフィールドで使われる方はデータが必要なケースもあると思いますので、地味にうれしい装備かもしれません。 - 防塵防滴
FireflyもBlackstoneもいずれも防塵防滴仕様のようですが、Blackstoneのほうがより強固なようですね - 軽い!
超広角の明るいレンズなんて大抵はでかいし重いし・・で、事実PENTAX純正の超広角ズームは1kg超えです。Irix 15mmはfireflyもblackstoneも600g台と、かなり軽量な作りとなっております。
色々とツッコミどころ満載ではあるが・・
写りが抜群に良く、軽く、安く、お笑い成分も含んでいる(笑)という稀有なレンズですが、選択肢が少ないPENTAX Kマウントでは、超広角の貴重な選択肢の一つとして検討の余地があると思います。また、こちらは詳細不明ですが、もう一つの商品群である11mm f/4については、35mmフルフレーム、非魚眼でこの画角をカバーしているのは他にほとんど例がない(ありましたっけ?)
と思いますので、キヤノンFE、ニコンFをお使いの方でも興味があるところではないでしょうか?
なんだか、超広角ではないレンズの開発の噂も少しずつ出てきておりますので、今後も”色々な意味で”目が話せないメーカーになる可能性はあります。