投稿者: スイス発、韓国製造の異色メーカー
Irixはスイスを拠点とする新興レンズメーカーです。おそらく今、初めてその名前を目にされたかたも多いかと思います。スイスの会社で、レンズの企画、設計はスイスで行われていますが、製造は韓国のメーカー（恐らくSamyang)に委託されています。
現時点で、35mmフルフレームに対応する11mm f/4 ,そして15mm f/2.4という、二本のMF専用超広角レンズのみをリリースしているのですが、標準ズームとか単焦点とかそういう売れ線のところからではなく、11mmと15mm（笑）というところから入ってきているのが、このメーカーが色々な意味でタダモノではないことを伺い知ることができます。
１つのレンズの中に外装仕様が異なるFirefly（軽量素材外装でリーズナブル）、Blackstone（アルミ・マグネシウム合金で剛健、プレミアム）の２ラインを提供している・・つまり11mmのFireflyとBlackstone、15mmのFireflyとBlackstoneが現時点での商品ラインナップとなっています。これもまたユニークですね。更に、レンズを供給するマウントも少し変わっていて、キヤノンEF、ニコンF・・とここまではまあ当然、普通ですが、ペンタックスKマウント（もちろんAPS-C用ではなく）向けにも出しています。すでにSIGMAやTAMRONといった、日本国内の主要サードパーティメーカーにも忘れ去られているKマウントの35mmフルフレーム対応レンズですが、遠くスイスのIrixが・・・
そして後半、”その２”の方に記載しますが風景写真・・とりわけ、夜間に使うに当たって非常に便利な機能がいくつか搭載されています。これらの特徴から推理するに、Irixのレンズ設計者はPENTAX唯一のデジタル35mmフルフレームカメラである” K-1”を使って星景を撮影している方なのではないでしょうか（笑）
PENTAX デジタル一眼レフ K-1 ボディ 5軸5段手ぶれ補正 ローパスセレクター フルサイズフォーマット 19570
さて、実のところ私自身もK-1のユーザーです。K-1を使うことになって、それをきっかけにこのメーカーを知りました。
諸般の事情により、この一風変わったメーカー、Irixの 15mm f/2.4(Firefly)を使うことになりました。
現時点で、例えばマップカメラのような日本のカメラショップではほぼ扱いがなく、恐らく並行輸入品だと思いますが、Amazonで何軒かの日本のお店が扱っております。代理店のようなところを現時点ではない模様です。外装を軽量素材外装としたFireflyで70,000\弱、ですね。
Irix 15 mm f / 2.4 Fireflyレンズfor Pentax
なぜか、PENTAX Kマウント用より、キヤノン EFマウント用の方が高いぞ？？
Irix 超広角レンズ 15mm f/2.4 Firefly フルサイズ対応 (キヤノン)
そして、金属外装となるBlackstoneはもう少し高くなります。
Irix 15 mm f / 2.4ブラックストーンレンズfor Pentax
直販サイトから個人輸入してみる
Irixは直販サイトを持っていて、日本にも発送してくれるので個人輸入も可能です。
公式な価格はFireflyで475€なので、現時点でのレートだと62,700￥でしょうか。ただし、ここに送料（EMS、UPS、あと何か選べたけど忘れた）で大体10€（1,320￥)かかります。あと、カメラ／レンズには関税はかからないのですが、商品価格の60%に対して消費税の課税対象となります。なので、
62,700\+1,320\+TAX(62,700*0.6*0.08）＋通関手数料(\200)=67,229¥・・・
とかなので、現レート(１€≒132¥)だとあまりおいしい感じではないですね。Amazonの並行輸入品とあまり変わらないし、在庫があればAmazonなら日本国内からすぐ届く分お得かも。
ちょっとネタ提供もかねて、私は直販サイトから個人輸入してみましたが、VISAなどの国際ブランドのクレジットカードもしくはPaypalアカウントをもっていれば簡単です。
あとは住所にJapan,そしてPostalコードと自分の住所をローマ字でかければ（全角文字は厳禁ですよ！）、たとえ記載順が多少間違ってもきちんと届きますので難しいことはないです（たぶん・・）
出荷に至るまで、細かく状況をメールで送ってきてくれますし、結果としては発注してから到着するまで１週間程度でした。スイスで設計され、韓国で製造されているはずのレンズはなぜかポーランドからやってきましたが・・（笑）
あとはアメリカのB&Hなども扱っていて、そちらのほうがより安いという情報もあるので、その時のレートや在庫によっては直販サイトや海外ショップの利用を考えると良いと思います。
リーズナブル(Firefly)、しかしながら高い光学性能
ここで一枚、まず最も近接で撮影した写真を載せます。
超広角ではあまりボケの質が云々ということはないとは思いますが、非常にスムースで素直な印象です。
特筆すべきは中心部の解像力かな、と思うのですが、数値的な評価はここ(LensTip)とかここ(kenrockwell)を覗いてもらえば、と思います。（手抜きw)
価格からすると、考えられないほどの解像力、そして収差のなさと言えるかもしれません。
続いて無限遠の解放です。
若干ディストーションはありますが、素直な樽型なので補正は容易だと思います。
一方で、周辺減光はがっつりでていますね。まあ周辺減光はそれこそ歪みや諸収差にくらべれば補正は容易なので、補正したい方はさらっとなさると良いか、と思いますが、私自身は超広角レンズがつくりだすこの周辺減光が大好きでしてね（笑）
個人的にはなかなか萌えてしまう感じです。
逆光に対しては注意が必要です。
角度によっては、リング上のゴーストが生じます。これもこれでまあ面白いんですがｗｗ
ほんの少し、角度を変えてあげると消えます。（ちょっと出てますが・・）
長くなりましたので、”その２”に続きます！