ライカのブランドを冠する怪物レンズ現る! Panasonic LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH. (H-X1025)

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最近、Panasonicが世界初、を連発しています。

Lマウント方面では、3月に発売されたS1/S1Rで世界初、135フルフレームのレンズ交換式カメラとして4K60p動画収録を実現したことに続き、6/3にはS1/S1Rより更に動画性能に振り切ったモデル「LUMIX S1H」で、デジタルカメラとして世界で初めて6K動画(フレームレート24p、アスペクト比3:2)、5.9K動画(30p、16:9)を実現するとのこと。
そういえば、現在主流となりつつあるミラーレスカメラも、世界で初めて商品化モデルとして世に放ったのはPanasonicでした。

 

F1.7の通しレンズ

S1Hの発表があった同日6/3に、もう一つの”世界初”が国内発表されました。それが「Panasonic LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm/F1.7 ASPH.」です。マイクロフォーサーズマウント、135フルフレーム換算で20-50mmという超広角域~標準域をカバーするズームレンズでありかつ、ズーム全域でF1.7を実現しています。
フォーサーズ時代に、12-35mmF2.0、35-100mmF2.0といったF2.0通しのズームレンズはオリンパスから発売されていた実績があります。また、直近ではキヤノンのRシステム向けに135フルフレームをカバーするF2.0通しの標準ズームレンズ、「RF28-70 F2 L USM」が発売されて話題となりました。

ライカの光学品質基準をクリアし、画角が可変(=ズーム)であることを意味するVARIO、そして開放F値がF2未満の大口径レンズに与えられるSUMMILUXの2つのライカ銘を組み合わせて、VARIO-SUMMILUXを名乗っています。
昨今、11mm、12mmといった焦点距離のレンズが存在している中で”超広角”を名乗るのはちょっと難しいかもしれませんが、それでも換算20mmという(準)超広角域から標準域50mmまでをカバーするズームレンズとしてはこれまでにないスペックとなっています。

 

思ったより軽い、思ったより安い

(この手のレンズとしては)軽い、(この手のレンズとしては)安い!
このレンズの存在は2018フォトキナで明らかになっていたので、”どんな姿形で出てくるのだろう?”というのは想像するしかなかったのですが、10-25、F1.7通しなんていう仕様上小さいはずもないなぁ、というのが大方の予測でした。
が、質量690g、全長128mmというコンパクトな仕様にまとめられていることが明らかになりました。
ちょっとカバーする焦点域もフォーマットも異なりますが、世界初だけに他に比較対象となりうるレンズがないので、標準域をカバーする大口径の通しズームレンズという切り口で考えて、近いスペックのレンズとしてキヤノンRF28-70 F2を引き合いに出してみると

質量 全長 実売価格
VARIO-SUMMILUX 10-25mm 690g 128mm ¥209,950
※価格com最安値 発売前予約価格
(2019 6/5時点)
RF 28-70mm 1430g 139.8mm ¥315,000
※価格com最安値
(2019 6/5時点)

という感じになっています。RF28-70mmと比較すると、3回りくらい軽く、短く、お安くなっています。(ただし全長に関してはインナーズーム、とされていますが、公開されているいくつかの画像を見る限りは、TELE端側にズームしたときに若干全長が伸びる模様です)

私自身も質量は1kgに迫り(或いは超え)、価格も実売で30万円前後ぐらいになるのかな?と思っていたので、これは嬉しい誤算です。とはいえ、重さも価格も”この手のレンズとしては”という接頭語が必要ではありますが(笑)

 

動画も配慮した諸機能

最近、一眼カメラ向けの一部のレンズにも入っているものもあるのですが、絞りリングを搭載しています。そしてこの絞りリングがクリックレスで操作可能(どうやらリング操作だけでなく、実際の絞りも無段階変化の模様)とのことです。動画の場合、カメラをパンしたりズームによって画角に入るものが変化したときに急に露出が変化する場合があるので、撮影しながら絞りを操作しなければならないケースが出てきます。その時、カメラのダイヤルでF2→F2.8→F4・・・と操作していくと不自然な段付きを伴って画像の明るさが変化してしまいますし、ダイヤルを操作しているカチカチという音も記録されてしまうことがあります。

動画に特化しているカメラも多く出しているPanasonic,このあたりの作り込みは抜かりないです。そして、このあたりの画角は動画撮影でも最も必要とされるところで、それが一本で網羅されています。

これに加えて、あと25-50(換算50-100mm)とか、25-75(換算50-75mm)の通しズームも出てきたりするとすごいなぁ、と思うのですが、もしかしたらすでに水面下で開発・・・していたりはしないか(笑)

 

2019年8月22日発売予定

発売は2019年8月22日予定、予約受付が開始されています。メーカー希望小売価格は27万円ですが、上の表にも書いたとおり現時点での実売価格の初値は20万円強、とのことでいずれ10万円台にも下がってくるかもしれません。
ただ、伝わってきているニュースによれば月産150台(少な!!)とのことなので、早く使いたい人は予約販売を利用しておくのが良いのではないでしょうか。

写りを見ないと・・という向きもあるかもしれませんが、そもそもヘボい写りならライカの光学品質基準をクリアしてライカ銘を冠することができませんし、基本的にマイクロフォーサーズは光学余裕が大きいこともあって、リーズナブルなレンズであっても”画質が納得いかないレンズ”というものがほとんどありませんので、その点はあまり心配しなくても良いかな、と思います。
私などは、マイクロフォーサーズのレンズはもう少しクセがあったほうが面白いと思うこともありますので(笑)、たとえばこのVARIO-SUMMILUXもWIDE端はちょっとムラッ気ある写りだけどTELE端は恐ろしくシャープ・・とか、性格まで5本分入っているようなレンズだったりするのもまた良し。

 

6/8、セミナー、タッチ&トライあり!

気になる方は、6/8の土曜日、LUMIX GINZA TOKYOにおいて13:30-15:30、15:30-17:30の2回、上田晃司氏を講師としてタッチ&トライセミナーが開催されるようですので、こちらにお出かけになってみてはいかがでしょうか?

(画像クリックでPanasonicのサイトに飛びます)

RM