片手に収まる超望遠 Panasonic LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.

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Panasonicはマイクロフォーサーズマウントにおいて”Leica”の銘を冠したレンズを販売しています。
開発、販売そのもはPanasonic本体にて実施していますが、Leicaの光学的基準をクリアすることでLeicaブランドを名乗ることを許されているレンズ群です。

本日は、このPanasonicのLeicaブランドレンズ群のなかから、超望遠ズーム”LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.”を紹介してみたいと思います。

Panasonicの公式サイトはこちら。
https://panasonic.jp/dc/lens/products/leica_dg_vario_elmarit_50-200.html

ライカの厳しい光学基準をクリアし、F2.8-4.0「ELMARIT(エルマリート)」の明るさを実現した高性能・高品質レンズ。
サブミクロンまで精度を追求した非球面レンズ2枚を採用し、歪曲収差・像面湾曲・非点収差を徹底的に抑え、歪みのない忠実な描写を実現しました。またUEDレンズとEDレンズを2枚ずつを採用することで、色滲みや色収差を抑えた、高い描写力を可能にしています。
すべてのレンズ群をライカ基準の高い描写力を実現するよう最適に配置することで、ズーム全域で優れた描写性能を発揮します。
また、別売のテレコンバーター(1.4x/2.0x)装着時でも高い解像力を保ち、LEICAレンズの名に相応しい高解像度と高コントラストの優れた描写性能を発揮します。

 

焦点距離50-200mmは135フルフレームサイズ換算で100-400mmに相当する、超望遠ズームレンズとなります。いわゆる通しズームではなくワイド端でF2.8,テレ端でF4ではありますが、他社の同クラスのレンズはF4.0-F5.6、もしくはそれに準ずる仕様が多く、ライバルと比較しても一段明るい性能を有しています。

Panasonic LUMIX G9 PRO , LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
Panasonic LUMIX G9 PRO , LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
Panasonic LUMIX G9 PRO , LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.

 

光学的な性能に関しては当たり前のように素晴らしいく、実用上の支障になるような点はないことはここに書くまでもないことなので(笑)、私自身が100mm-400mmの超望遠ズームとして使って、ここはいいなぁ、と感じる点を4点挙げたいと思います。

1. 全長が短くコンパクト、そして軽い!

ワイド端での全長が132mm(最大径76mm、フィルター径67mm)と、400mm相当画角までカバーするレンズとしては驚異的に小さいです。自分のスマホ(iPhone XR)と比較しても

iPhone XR ジャストサイズ!

ちなみにインナーズームではなくズームすると鏡筒は伸びるタイプなので、テレ端までズームさせると175mmほどになります。それでも小さい。もしインナーズームだったらもう本当に言うことなしなのですが、そこまではさすがに高望みですね。
また、重量もレンズ内手ぶれ補正を搭載しながら655gに抑えられています。本日の記事のタイトル通り、片手に収まる超望遠。レンズの交換なども手返し良く行うことができます。

例えばスペック的には近いSONY FEマウント向けのFE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GMですと全長205mm、重量は三脚座を除いて1,395gになります。(VARIO-ELMARITは三脚座はありません)
ただし、FE100-400はインナーズームなので全長の変化はありません。

 

2. 最短撮影距離が短く、マクロ能力が高い!

ズーム全域で最短撮影距離が0.75m(撮像面から)で、撮影倍率も最短距離で0.5倍(135フルフレーム換算)に達します。x1.4テレコン、x2.0テレコンを装着しても最短撮影距離は変わらず、各々撮影倍率は0.75倍、等倍(それぞれ、135フルフレーム換算)となります。と、スペック上はなっているのですが、個人的なテスト結果からいくとテレ端では少し最短撮影距離が伸びる(4~5cm)ように思われますが、立ち位置を変えなければならないほどではなく微調整で吸収できる範囲です。まあ誤差とみなしてあげましょう(笑)

ワイド端最短撮影距離で撮影。被写体が目薬なのはあまり深い意味はありませんw

撮影位置を変えず(上記、微調整は含みますが・・)テレ端最短撮影距離で撮影

ワイド端最短撮影距離で撮影

撮影位置を変えず、上記赤丸部分をテレ端最短撮影距離で撮影。

 

3. 手ぶれ補正の効きがハンパない!

Panasonicはレンズ側の光学ブレ補正と、ボディ本体側のセンサーシフトブレ補正のデュアルISを採用していますが、その中でも更にLUMIX G9 Proとの組み合わせにおいてはシャッター速度6.5段分のブレ補正を実現しています。オリンパス社のボディなどで使った場合はレンズ単体での手ぶれ補正になりますが、それでも4.0段+α程度のブレ補正を実現しています。以前、
こちら
の記事にG9 Proの手ぶれ補正の性能評価をVARIO-ELMARITのテレ端を使って実施しましたが、200mm相当を手持ち0.5秒でも止めることができます。

Panasonic LUMIX G9 PRO , LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. 焦点距離100mm(35mm換算200mm) シャッタスピード1/2秒

歩留まりは大分下がりますが、精神が落ち着いているときであれば(笑)テレ端400mm相当でも1秒ぐらいの手持ち撮影で止まるときもあります。
きちんと基本を保って構え、シャッタースピードも適正な時間確保して・・・というのももちろん大事だと思いますが、これほどの効きになってくるとそれはそれで撮影のスタイルに変化が及んで、今まで撮れなかったようなカットに手が届く可能性が増えます。

 

4. テレコン装着しても明るい!

私自身はまだPanasonicのテレコンは所有していないのですが、x1.4、x2.0いずれのテレコンにも対応しています。そして元々の開放F値がこのクラスのレンズとしてはF2.8-F4.0と非常に明るいため、テレコン装着時でも有利です。
もういちど引き合いに出しますが例えばSONYのFE100-400ですとF4.0ーF5.6なので、VARIO-ELMARITのほうが1段明るい→テレコン装着しても1段、あるいは2段速いシャッターが切れます。x2.0テレコン装着時はテレ端が800mm相当、先の強力な手振れ補正と併せて、極めて機動性の高い撮影を実現することができそうです。

 

 

このレンズの為だけにm43を使ってもいい

以上、このレンズの個人的な好き好きポイントを4点挙げてみました。
片手に収まるようなコンパクトな形状でも明るく高性能、遠景を引き寄せる超望遠らしい使いかただけでなく、高いテレマクロ性を生かしてすぐ近くの異世界を見ることもできる超望遠ズーム。そのためだけにPanasonic機、ひいてはマイクロフォーサーズを使っても良いと言ってもいい孤高の存在だと個人的には思っています。

iPhoneで撮影するとこんな感じに雑多になってしまう我が家のせまいバルコニーでも・・

同じ位置からVARIO-ELMARIT50-200で撮影すると

Panasonic LUMIX G9 PRO , LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.

肉眼を超えた世界に連れて行ってくれます。
お値段だけがなかなかうーーんな感じではありますが、それに見合う見返りは沢山返ってくる一本と言えます。マイクロフォーサーズユーザーで超望遠域を多用される方には、ぜひ検討していただきたいレンズです。

デジカメinfoにLensTipの評価結果の和訳が掲載されています。
パナソニック「50-200mm F2.8-4 OIS」は望遠端でも非の打ち所のない解像力

RM