写真を撮るという行為は選択の連続です。
まずは3:2や4:3・・1:1などいろいろありますが、フレームに収めるところから、その制約の中でなにをどう配置するか構図を考えたり、要素の入れる入れないを考え・・切り取る瞬間を狙い・・と一枚一枚にけっこう思考しているものです。
もちろん感覚的にこれをやっている人も多いと思うのですが、身体的反応とするのであれば、それもまた意識がどこかで行動を選択しているということで。
そんな中でもモノクロでましてやフィルム撮影と暗室作業を伴う行為は、
- 情報が制限されるからこそ眼の前の風景や世界をより深く観れる
- 白から黒(あるいは黒から白)という階調に集中することで光と影をより意識する
- デジタルにはないアナログ的な科学現象を感じることでイメージを具体的にする実感がより強く感じられる
ということでTokyo Institute of Photographyとカロタイプでの共同企画としてフィルム撮影と暗室体験の講座を開催します。フィルムカメラの貸出もあり、実際に撮ったものを後日暗室で実際に印画紙に焼き付ける作業を行っていただきます。少人数制なので一人ひとり丁寧にできると思いますので、初めての方も安心。
また、すっかり忘れてしまった・・という方もきっかけづくりにぜひ。
http://tip.or.jp/2017/1647
※これ全力でPRです。恐れ入ります。
モノクロ写真でぜひ観ていただきたい作家・・挙げだしたらキリがないですので、直近開催中の写真展から考えてみると
今このタイミングであればやはり東京都写真美術館で1月28日まで開催中の
ユージン・スミス展
あるいは、フランク フォーバッド展が銀座のシャネル・ネクサス・ホールで2月18日まで開催されています。
日本人ではちょうど森山大道さんの新作展がNADiff Galleryで2月4日までとのことで、むしろ80歳にして今なお新作を貪欲に作り続ける・・すごいエネルギーだと思います。
東京都写真美術館は2018年3月24日(土)から清里フォトアートミュージアム全収蔵作品の中から409点の作品を展示する「原点を、永遠に。-2018-」展も細江英公/エリオット・アーウィット/植田正治/ロベール・ドアノーと名前が並んでいるので、これもぜひ注目したいところ。
個人的には昨年渋谷のBunkamuraで開催されたソール・ライターの展示がよかったですね。上記のフィルム講座はカタログも持ち込みつつ座学をしようかなと思います。